フランスでストが多い理由2019|革命の国便り

フランスのストライキ近年激しく多発になった

最近のフランスのストは「黄色いベスト運動(ジレ・ジョーヌ)」と呼ばれ、最近なにかにつけて激しくなってきました。

日本でフランスといえば「芸術、グルメ、、オシャレなパリジェンヌ」と甘〜いイメージなのですが

一連の激しいストのニュースが報道されると、そのあまりにもかけ離れたイメージに「どういう理由?」と思え、特にフランス旅行を計画してると「大丈夫かな」と不安になるのではないでしょうか

ストになると観光に不可欠な移動手段であるフランス国鉄SNCFや、他の交通機関がスト運休になり、他にも便乗ストが起こったりし一般のフランス国民も何らかの不便を強いられます。

にしても、、

世界でも観光大国フランスで、観光業に打撃となり「経済に影響するようなストライキが何故こんなにも頻繁に起きるのか?」と疑問を持つ方も多いと思います

そこで今回の記事では「フランスでストが多い理由」を

ストの歴史や「政治や国の事情」「フランス庶民の感情」から最近活動が激しくなったその理由を、色々な角度から探り、まとめてみました。

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フランスではストライキは「国民の権利」

「自由、平等、博愛」の為に戦ってきた長〜いフランス庶民の歴史

日本ではストは「暴動」とか「60年代の学生運動」等、なにか尋常ではない事と、思われているかもしれませんが、、、

フランスでは「ストライキは意思表明の真っ当な手段!」と考えられています。

なので、事あるごとに「デモだ!ストだ!!」と各職場の労働組合が団結してストを起こします。彼らは組織力が強く、会社や政府と対立すれば「まるで革命のような」激しい闘争を繰り広げます、。

この「革命」という言葉。

コレが、意外とストの発祥と遠からずで、、

 「スト=権力者との闘争」

フランスでストは、1789年のフランス革命以降戦い獲得した民衆の権利と考えられていて

「自由、平等、博愛」を手に入れる為に戦ってきた長〜い歴史があるんです。

ストが取り締まられていた時期も長く、第二次世界大戦中はフランスでもストライキは全面的に禁じられ、再び終戦を迎えた1946年にストの権利がフランス国民に認められましたた。

こんな「歴史と伝統がある?!」ストライキは時代の体制に民衆が権利を主張する方法となり。今でも一旦火がつき盛り上がると、大きくなってしまうのでしょうか。

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フランス ストライキ が多かった理由2018年

フランスのストライキが激しくなた理由

フランスのストは以前からありましたが激化したのは2018年の事。

この年、電車等の交通機関がストのため運休となる日が多く時期も長引きました又、それが収まったと思ったら、、黄色いベスト運動が始まり街でデモ活動が目立ち始めました。

まるで

日本の秋の台風シーズンのように、次から次にデモやストが起こり、社会の機能は麻痺したのか?と思えた程。

2018年3つの大きなストライキ

①フランス国鉄の3月〜9月までの電車が全国規模で運休になる。
②エアーフランスの経営不振による大規模なスト。
③燃油価格高騰に強く講義する庶民による黄色いベスト運動。

マクロン政府、改革の正念場に、噴火した仏スト

始まりは

フランス国鉄SNCFの労働組合が退職優遇制度改革に反発した事

2018年春マクロン氏が大統領に選ばれ2年が経過した頃、歴代大統領の難門、多額の赤字を抱えるフランス国鉄SNCFの経営不審の改革を進めようとしたのですが。。。

状況は御存知の通り、ゴジラ対モスラのような

フランス各労働組合VSマカロン大統領

の決戦になり

フランス国鉄労働組合は猛反発。結果、国境を超えた超絶ストに。

2018年のフランス国鉄SNCF時系列での出来事

■2018年フランスの春の花が咲く3月末に一連のストが始まる。

4月から3日通常営業2日スト(運休日通常の10%の電車が運行)になり、それが一週間に一日、10日に一日の割合に変化しながら、、結局4月から10月までの半年もの間、電車が運休になるストが続いて観光客、フランスの観光業の人達は特に打撃を受けました。

■メーデー2018パリ
5月1日パリでは200人近い逮捕者この日はは荒れた革命のよう。メーデーのフランス国鉄労働組合のデモ参加者は5万人と組合は発表。

始めは平和的に訴えかけていたデモ隊に、黒マスク黒装束の暴徒が混ざり大暴れして、、商店街のショーウインドウ破損、車に放火、あるマクドナルドの店舗も火をつけ燃やされたりと暴動のような激しさに。

原因のフランス国鉄職員優遇制度と赤字運営って??

SNF社員優遇退職制度まとめ

・雇用保険、年金の厚遇。
・社員、家族の運賃の割引。
・毎年賃金が自動的に上がる。
・早期退職制度 例:運転手52歳定年

かなり高待遇のようですね。。

SNCFの赤字運営■赤字経営の現実

一年間赤字を、約4200億円(※1)生み続け、累積赤字が6兆円(※2)以上の、巨額の負債。
(※1:30億€※2:470億€、5月15日レート約130円計算)

そんなSNCFフランス国鉄に、手始めにマクロン大統領の改革のメスが入ったのですが。ストがストを呼ぶ結果に成っている現在の状況です。

2018年エアーフランスのスト

エアーフランス存続の危機報道?!

この年時を同じくして空の便でも大問題が発生しました
エアーフランスのストでパイロット、客室乗務員、地上勤務社員らが会社に賃上げを要求。

といえば、良くあるストライキのようですが、、、

世界的に航空会社の運営が厳しい中、収益が下向き、航空会社でも大手のエアーフランスの経営体力を消耗させていた模様。

客室乗務員側と経営側の交渉が決裂の末結エアーフランスの会長ジャナイヤック氏が5月に辞任。
(フランス政府も株を約15%所有)

更に

「会社無くなるかもよぉ〜」

と、状況混迷の中

フランス経済相テレビのニュース番組で「エアーフランスの存続の可能性は5分5分」と、語り。

その後、経営陣と組合との話し合いが決裂。

フライト運休ストライキになり

「エアーフランス大丈夫かぁ〜」と思ったものでした。

黄色いベスト運動

黄色いベスト運動2018年11月開始?

こちらは、黄色いベストを来た人々がフランス全土でデモ活動を始めたもの。

第二次大戦以後におきたフランスのデモの中でもっとも長い期間に渡るもの、毎週土曜日に行なわれている。2018年5月にネットで始まり、2018年11月17日にフランス国内で活動が開始された。

ジレ・ジョーヌ(フランス語で黄色いベスト)を身に着けた人がていることからや黄色いジャケット運動ともよばれる。[。

ウイッキーペディアより引用

黄色いベスト運動とは?

黄色いベストと呼ばれる理由?

黄色いベスト:ジレ・ジョーヌ
フランス語: Gilets jaunes)

黄色いベストと呼ばれるのは

フランスでは車の中に「黄色の蛍光色」のベスト常備することが法律で決められている(事故や不意に道路に出る時着用するので一般に普及している)

その他、道路工事、交通整理の人などの人の安全管理のために着用されているもので、ストの際は労働者のシンボルとして着用されるようになった。

こちら政府の燃油料金を値上げに対してで、
2019年1月に、燃油と税金をトータル20%程の値上げに講義するものでした。
(※燃油種類によってレートは変動)

とはいえ、実感が湧きにくいですよね。

家のご近所さん※に聞いてみると
家計の負担が一ヶ月「40€」(日本円で5000円程)増える

と、、、の事でした。

※南仏の小さな村に住んでいるフランス人で、自宅から20km距離の街のオフィースへ車で通っている。

一ヶ月に車一台で毎日仕事に行けば、40€も家計の出費が増える。

と、、、

いえば可也なもの

フランスは車社会で夫婦共働きが当たり前(特に地方)。一家に車が2台有ることも珍しくありませんそうすると、倍の出費になりますし子供の学校への送り迎えなど、燃油料金の値上がりは家計を直撃したようです。

そう考えると、フランス人の気持ちが解るような気がしてきませんか?

その他に車検など、他費用も値上がりしたそうで。
燃油料金だけででなく、色々な値上げが相次いだ末に、燃料代20%の値上げとなり「こうなったらストだ!!!」と
黄色いベスト運動となったのだと思います。

まとめ

フランスでストが多いのは

マクロン政府の改革に反対するためです

燃油料金引き上げ、年金制度改革、今後他に理由が出てきても不思議では有りません。

日本人のワタシから観ると、社会の機能が停止しても運動するフランスの労働組合と「ストだから仕方がない」と、それを理解するフランス人を観ていて不思議に思えましたが、、

日本でも少し昔ストが派手に行われていた時期があります

フランスの国鉄道SNCFが赤字運営のため、フランスの国営企業だった会社、、、電気会社、ガス会社、電話会社のようにと、民営化改革しようという話がありますが

日本でも似たことが、、ありました。

今のJRが国鉄が民営化されたのは1987年の事。

当時は日本でも激しいストライキが繰り広げられ大荒れ大騒動になりました。多額の赤字が原因でしたが、日本の国鉄職員がリストラされ、働く条件が変化したのでした。

今から40年以上も前の話で日本人の気質も70年代に学生運動をした世代で今とは違ったのでしょう。

ストライキやデモを起こすフランス人の考え方、エネルギーは、フランス革命と同じ源泉のよう。

観ていると権利を勝ち取る為とは言え、日本人の気質とは全く異なり、、「凄いな」と日本生まれの私は思うだけなのでした。

トップ写真:Adobephoto

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